EDの原因と症状を年代別に解説

EDの原因と症状を年代別に解説

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EDとは、勃起不全・勃起障害(Erectile Dysfunction)の略で、性行為の際に十分な勃起を得られない、または勃起を維持できないため、性行為の途中で中折れしてしまったり、射精ができなくなってしまう状態を指します。

 

EDは症状の重さから、

  • 軽度型ED
  • 中度型ED
  • 重度型ED

に分類されますが、軽度の症状も含めると全男性のなんと55.9%がEDになっていると言われています。

 

EDは全く勃起しない状態だけを指すのではなく、硬さが不十分であることや、たまに勃起しないことがあるという場合も軽度EDとなります。

  • 性的興奮を受けても勃起しない
  • 勃起しても十分な硬さにならない
  • たまに勃起しないことがある
  • 挿入しても柔らかくなって抜けてしまう
  • 勃起を維持できない

これらに該当する場合はEDの治療が必要になるため、医療機関を受診してください。

EDの原因

EDの原因には、「器質性・心因性・混合性・薬剤性」の4つのタイプがあります。

 

EDになる原因は年代ごとに違い、10代~30代の若者のEDのほとんどが、ストレスや不安、プレッシャーによる心因性EDです。

 

一方、40代以降に多く見られるのが、生活習慣病が原因となる器質性EDです。

 

また、器質性と心因性が合わさって起こるのが混合性EDで、ED全体の中でもっとも多く、50代~60代の中高年に発症しやすい傾向にあります。

 

EDを放置すると原因となる病気を見逃すことにもなりかねません。

 

病状が悪化すると、命に影響を及ぼすケースも。ここからは、EDの原因や症状、治療法について詳しく解説します。

EDのタイプと特徴

器質性ED

 

血管や神経など身体面の問題で起こるのが器質性EDです。血管や神経の健康状態が悪いと、陰茎に十分な量の血液が届かないため、勃起が起こりにくくなったり、勃起を維持できなくなります。

 

器質性EDの原因のほとんどが、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病によるものです。

 

そのため、生活習慣病になりやすい40代以降に多くみられます。

 

心因性ED

 

心理的な要因で起こるのが心因性EDで、ストレスや不安、プレッシャー、過去のトラウマなどが原因でEDになります。

 

心因性EDは、思春期や就職などで生活環境が大きく変わるなど10代~30代の若い男性に起こりやすいといえます。

 

過去に性行為に失敗してしまい、それがトラウマとなり、勃起しなくなってしまうという男性も多いです。

 

また、うつ病や不安障害などの精神疾患もEDと密接な関係があり、心因性EDに分類されます。

 

混合性ED

 

器質性EDと心因性EDが混在している場合は混合性EDです。加齢や生活習慣病による動脈硬化の進行に加えて、ストレスや過労が合わさってEDになります。

 

混合性EDは薬物療法や生活習慣を見直すことで様子を見て、改善されない場合は心理療法を併用するなど、多方面からのアプローチが必要になります。

 

薬剤性ED

 

服用している薬剤の副作用によって起こるのが薬剤性EDです。

 

降圧剤や抗うつ剤、精神安定剤、睡眠薬、AGA治療薬には、副作用としてEDを引き起こす可能性があります。

 

EDの症状に薬が影響していると考えられる場合は、自己判断で休薬するのではなく、必ず医師に相談してください。

EDの代表的な原因・リスクファクター

EDになる原因・リスクファクターは数多くあります。

 

ここでは代表的なものを取り上げて解説します。

加齢

EDになる原因として最重要のリスクファクターとされているのが加齢です。

 

日本におけるEDの調査では、年齢とともの中等度・完全EDの割合いは増加し、55歳以上では40%、70歳以上では71%の男性が中等度または完全EDだったと報告されています。

糖尿病

糖尿病を患っている人は、そうでない人と比べてEDを発症するのが10~15年早いとされています。

 

また、糖尿病患者の35~90%はEDが発生するというデータがあります。

 

男性性機能問診票(SHIM)の調査では、糖尿病の合併症である末梢神経障害が重度のEDに関連していたなど、糖尿病がEDに関係しているとされています。

運動不足・食生活の乱れ(肥満)

運動不足は心血管機能を低下させるため、勃起に必要な血液が陰茎に十分に届かなくなります。

 

また、運動不足は肥満やメタボリック症候群につながる可能性も。内臓脂肪が増え肥満になると、動脈硬化が起こりEDになりやすいと考えられます。

 

また、食生活の乱れもEDの原因になる可能性があります。

 

栄養不足になると、勃起に必要な血管機能や神経伝達に悪影響を与えます。

 

また、高カロリー・高脂質な食事は肥満につながり動脈硬化のリスクを高めます。動脈硬化が起こると陰茎への血流が妨げられ、EDを引き起こします。

喫煙

喫煙とEDの関連性についても世界で調査が行われており、相関が認められています。

 

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、陰茎への血流が滞り、EDにつながると考えられています。

 

また、ニコチンによって血管の弾力がなくなり、性的刺激を受けても血液がスムーズに陰茎に届かないため、物理的に勃起しづらくなります。

心血管疾患および高血圧

心血管疾患及び高血圧の人は、血管の硬化や狭窄を起こすことで陰茎に血液が流れにくくなり、EDを併発するリスクが高まり、重症化しやすいと言われています。

 

また、心疾患系の生活習慣病の初期症状として、EDが発症することもあります。

 

うつ病(心理的・精神的疾患)

 

うつ病がEDを発症させる原因として、抑うつ症状があります。

 

抑うつの状態で性欲が低下すると、陰茎に興奮が伝わらず勃起できなくなります。

 

うつ病は神経伝達物質が減少する病気で、ストレスや不安、トラウマなどが原因となる心因性EDに含まれます。

 

また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)によってEDの発生率が高くなることもわかっています。

 

【自転車やバイクの運転で陰部が圧迫されてEDになる?】
よく自転車やバイクに長時間乗っていると陰部が圧迫されてEDになるという噂を耳にしますが、この噂に関しては相関性は考えにくいと結論付けられています。

EDの治療法と治療薬の種類

EDの治療法には、ED治療薬の服用や生活習慣の改善などがあります。

 

ここからは、EDの治療法について詳しく解説します。

 

ED治療薬の服用

 

ED治療で代表的なのがED治療薬の服用で、「ED治療ガイドライン」でも推奨されています。

 

ED治療薬PDE5阻害薬と呼ばれ、血管を拡張させる作用があり陰茎への血流をスムーズにすることで勃起を促す効果が期待できます。

 

代表的なED治療薬には、バイアグラ・シアリス・レビトラがあります。

 

それぞれの治療薬の特徴は以下のとおりです。

 

バイアグラ

 

バイアグラは米ファイザー社が製品化した世界で初めてのED治療薬です。

 

現在は販売元はヴィアトリス製薬となっており、ヴィアトリス製薬のロゴが刻印されているバイアグラが流通していますが偽造薬ではありませんので安心してください。

 

バイアグラの有効成分は「シルデナフィル」と呼ばれ、バイアグラを服用することで日本では81%の男性がED改善効果が見られています。

 

形状は一般的な錠剤と、ODフィルムと呼ばれる舌の上にのせると溶けるタイプのフィルム状のものがあります。

 

ODフィルムはコンパクトで持ち運びがしやすいため財布の中に入れておくことができるので人気が高まっています。

 

有効成分の配合量が25mgと50mgの2種類あり、症状の重さによって有効な方を選択します。

 

海外では100mg配合のバイアグラも処方されていますが、日本では行われていません。

 

【主な副作用】

頭痛 12.74%
ほてり 10.19%
消化不良 0.64%
めまい 0.64%
眼症状(充血) 1.91%

 

【概要】

名称

バイアグラ
(シルデナフィルクエン酸塩錠)

有効成分 シルデナフィル
服用方法 性行為の1時間前
効果の持続時間

25mg 約3時間
50mg 約5時間

食事・飲酒の影響

・食後だと効果が薄れるため空腹時の服用がよい
・過度にアルコールを摂取した状態だと効果が得られない可能性がある

ジェネリック あり(国内では厚生労働省から9社承認)

 

シアリス

 

シアリスは有効成分タダラフィルを配合している、日本新薬株式会社が製造・販売するED薬です。

 

シアリスは作用時間が長く、20mgのシアリスを1錠服用すると最大36時間の有効性が認められており、金曜日の夜に服用すると日曜日まで効果が持続することから「ウィークエンドピル」とも呼ばれています。

 

また、バイアグラと違って食事の影響を受けにくいなど、使い勝手の良さから世界市場シェアNO.1のED薬となっています。

 

【主な副作用】

頭痛 11.30%
ほてり 3.50%
消化不良 2.30%
鼻閉 1.20%
眼症状(充血) 1.20%
背部痛 1.90%

 

【概要】

名称 シアリス
有効成分 タダラフィル
服用方法 性行為の1時間前
効果の持続時間

10mg 20~24時間
20mg 30~36時間

食事・飲酒の影響 受けにくい
ジェネリック あり(国内では厚生労働省から9社承認)

 

レビトラ

 

レビトラは、有効成分「バルデナフィル」配合のED治療薬で、ドイツのバイエル製薬が製造・販売を行っていますが、現在販売を中止しているため国内で正規品は流通しておらず医療機関でも処方は行われておりません。

 

ジェネリックに関しては、厚生労働省に認可された国内正規レビトラジェネリックの処方は行われているため、レビトラを希望する場合は代替薬としてレビトラジェネリックの処方を受けましょう。

 

【主な副作用】

頭痛 5.59%
ほてり 15.66%
消化不良 0.99%
鼻閉 2.96%
めまい 0.44%
眼症状(充血) 1.53%

 

【概要】

名称

レビトラ
(バルデナフィル塩酸塩水和物錠)

有効成分 バルデナフィル
服用方法 性行為の1時間前
効果の持続時間

10mg 5時間
20mg 7時間

食事・飲酒の影響 受けにくい
ジェネリック あり(3社から発売)

 

ED治療薬は服用した時にだけ効果があり、EDを根本的に改善するものではありません。

 

EDを根本的に治療するなら、治療薬と併用して生活習慣の見直しや心理的な問題の解決、原因となる疾患の治療など、多方面からのアプローチが必要になります。

食生活・生活習慣の改善

EDを改善するためには、食生活の見直しも重要です。

 

高カロリー・高脂質な食事を避け、栄養バランスの整った食生活を心がけましょう。

 

また、適切なウォーキングなどの適切な運動はEDの予防に効果があることがわかっています。

 

▪適度な運動を取り入れる

 

EDの改善に有効な運動は、ウォーキングやサイクリング、ジョギングなどの有酸素運動です。

 

目安としては週に3日以上、1回30分以上の運動を継続して取り入れるようにしましょう。無理なく継続できる方法を見つけて、運動習慣を身につけましょう。

 

▪過度な飲酒は控える

 

ED治療する際には過度な飲酒を控えましょう。アルコールが脳神経に影響し、勃起の指令がうまく伝わらなくなり、ED治療薬の効果を十分に得られない可能性があります。

 

また、性的な刺激が脳に伝わりづらくなるほか、薬の副作用が起こりやすいデメリットもあります。

 

ただし、お酒にはリラックス効果があることから、少量の飲酒であれば性行為に良い影響を与えるとも考えられます。

 

▪禁煙する

 

喫煙が原因でEDを発症している場合は、禁煙することで症状が改善する可能性があります。

 

タバコに含まれるニコチンが陰茎への血流や副交感神経の働きを妨げることで、勃起に悪影響を与えます。必要であれば禁煙外来を受診するなど、積極的に禁煙に取り組みましょう。

EDに関するよくあるQ&A

10代・20代の若い年代のEDの原因は?

10代~20代のEDは、心理的な要因で起こる心因性EDであることが多いです。
ストレスや不安、プレッシャーなど主な原因です。

50代・60代の高年齢のEDの原因は?

50代~60代のEDは、血管や神経の問題で起こる器質性EDが多いです。

 

糖尿病や高血圧などの生活習慣や、加齢による男性ホルモン「テストステロン」の分泌量の低下により、発症のリスクが高まる傾向にあります。

ED治療薬を服用し続けると自然に勃起しなくなる?

ED治療薬を服用したからといって、その後自然に勃起しなくなることはありません。ED治療薬は毎日継続して服用するものではなく、性行為のタイミングに合わせて内服する薬です。

 

ED治療薬には勃起をサポートする役割があり、薬を服用することでEDの症状が解消されます。EDが改善されたことで自信を持てるようになり、治療薬が必要なくなるケースもあります。

EDは自然治癒する?

EDの中でも心因的な要因で症状が軽い場合は、ストレスや不安が解消されることで自然治癒することもあります。

 

注意しなければいけないのは器質性EDです。病気が原因となる場合は、医療機関を受診して適切な治療を受ける必要があります。EDの原因を特定するためにも、放置せず医師の診察を受けましょう。

EDの改善におすすめの食べ物は?

EDの改善には以下のような栄養素が含まれた食品がおすすめです。

 

栄養素 食品
亜鉛 牡蠣・レバーなど
シトルリン スイカ・メロンなど
DHA・EPA サバ・サンマなど
ビタミンE アーモンド・アボカドなど

これらの食材を意識しつつ、5大栄養素である炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂取することが大切です。

どのような症状があればED治療が必要?

以下のような症状があればED治療を受ける必要があります。

  • 勃起しても硬さが足りない
  • 勃起を維持できない
  • 勃起しにくくなった
  • 制的興奮を受けても勃起しない
  • たまに勃起しないことがある

EDとは、満足のいく勃起を得られない状態です。全く勃起しない状態だけではなく、勃起しても硬さが足りない場合や、維持できない場合もEDに該当します。
これらの症状がある場合はEDの可能性があるため、医療機関を受診しましょう。

ED治療はいつから始めるべき?

少しでもEDの疑いがあると感じた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

EDを放置すると回復に時間がかかるだけではなく、他の病気を引き起こすリスクもあります。
EDは糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病を併発しているケースも多いです。放置すると命に関わる恐れもあるため、早めに治療を受けることが大切です。

運営者情報
クリニック名 寿町クリニック
診療科目

・脳神経外科
・神経内科
・糖尿病内科
・めまい外来
・禁煙外来
・ペインクリニック

所在地

〒183-0056
東京都府中市寿町1-3-10
藤和府中コープ101

TEL 042-354-3111
FAX 042-354-3112
院長 売野 智之
総合顧問 落合 武徳(千葉大学名誉教授)
顧問・前院長 種村 孝
脳神経外科顧問

秋元 治朗(東京医科大学病院 脳神経外科教授)
羽井佐 利彦(JR東京総合病院脳脊髄神経外科担当部長)